『はじめに』
3月期決算企業の株主総会集中日となった6月28日、全国で1459社が一斉に株主総会を開いた。近年、株主総会の開催日の分散化が進みつつあり、株主議決権行使の手段としてインターネットによる投票が認められるなど、「開かれた総会」へと株主総会のあり方が変わり始めている。また、企業側の意識は確実に変化しつつあると私は思う。
株主総会とは、企業にとって、最高の意思決定機関であり、株主によるガバナンス機関である。株主が議決権を行使し、資本多数決を採用しており、普通決議や特別決議により、取締役の選任や解任、定款の変更・合併・解散など基礎事項の決定、利益処分(配当政策)など株主にとっての重要事項、取締役報酬の決定などを決議する役割をもっており、「所有と経営の分離」が主となる現代社会において、株主が経営に参加する年に一度の機会である。[1]
1.日本における「株主総会」の変化
今年の株主総会では、外資系投資ファンドが増配や買収防衛策の廃止を求めるなど、株主と経営陣が対立するケースが特徴的であった。豊富な資金力を持つ「モノ言う株主」に会社側がどのように対応するかに注目が集まっている。
日本...