本書の原題は『Wissenschaft als Beruf』である。Berufはドイツ語で「職業」を表しており、「実際の職業としての学問」として、人事問題や待遇の面についても論じている。しかし、Berufには、ただの「職業」の他にも「天職」という意味もあるらしく、「天命によって自らに与えられた学問とは、いかなる存在意義を持つのか」という問題提起をも含んでいると思われる。「職業としての学問」は前半部分に、「天職としての学問」は後半部分にそれぞれ該当しており、この二重性を含んだタイトルが面白く感じた。
主に三つの部分から構成されており、まず初めに、当時のドイツにおいて、学問を職業にしようと考える学...