1.はじめに
人間は誰しも自分の知らない世界を知りたいと願い、ありふれた単調な「日常」から抜け出し、見るもの聴くもの感じるもの全てが刺激的な「非日常」を求めるものである。だから人は旅をする。昔も今も、人は飽きることなく旅をしている。それだけ旅は魅力的なのだ。しかし、旅にはお金が必要である。無銭旅行という言葉もあるが、実際には宿泊代、食事代、交通費など何かしらの支出は避けられない。こういった旅人へのサービス、商売から成る産業を「ツーリズム産業」という。現代においてツーリズム産業は第三次産業の主役として、また各国経済の一角を担う存在として、その規模を拡大し続けている。本稿では、現代日本におけるツーリズム産業について論じていくことにする。
2.ツーリズム産業の特性
・外貨獲得:ツーリズム産業の最も特徴的な性質として、まず外貨の獲得が挙げられるだろう。経済的に発展し、国際的にも強い「円」を持つ日本はそこまで重要視されないかもしれないが、アジアの発展途上国と呼ばれる国々では、自国の通貨よりはるかに価値のある「ドル」を重宝し、両替しなくてもそのまま使用できる国も多い。特に資源を持たない国にとって、外国人旅行者のもたらす外貨は非常に大きな意味をもつのである。
・不滅の産業:産業の中には需要がなくなれば廃れてしまうものもある。例えば最近話題のアスベストを作る製造業などは、法律で製造を禁止されたことで産業自体が消滅してしまった。その点ツーリズム産業は旅という人間の欲求を対象にしているので、収支の波はあっても産業そのものが廃れることはまずあり得ない。不滅の産業と言えよう。
・他の業種にも波及効果:旅行業、宿泊、交通、飲食はもとより、製造業、医療産業、保険業など、他のさまざまな業種にも経済波及効果を与えると考えられる。
ツーリズム産業論 期末レポート
1.はじめに
人間は誰しも自分の知らない世界を知りたいと願い、ありふれた単調な「日常」から抜け出し、見るもの聴くもの感じるもの全てが刺激的な「非日常」を求めるものである。だから人は旅をする。昔も今も、人は飽きることなく旅をしている。それだけ旅は魅力的なのだ。しかし、旅にはお金が必要である。無銭旅行という言葉もあるが、実際には宿泊代、食事代、交通費など何かしらの支出は避けられない。こういった旅人へのサービス、商売から成る産業を「ツーリズム産業」という。現代においてツーリズム産業は第三次産業の主役として、また各国経済の一角を担う存在として、その規模を拡大し続けている。本稿では、現代日本におけるツーリズム産業について論じていくことにする。
2.ツーリズム産業の特性
・外貨獲得:ツーリズム産業の最も特徴的な性質として、まず外貨の獲得が挙げられるだろう。経済的に発展し、国際的にも強い「円」を持つ日本はそこまで重要視されないかもしれないが、アジアの発展途上国と呼ばれる国々では、自国の通貨よりはるかに価値のある「ドル」を重宝し、両替しなくてもそのまま使用できる国も多...