93回問121
細胞膜に存在する受容体に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体の刺激は、筋細胞内へのNa+流入を引き起こし、膜電位は脱分極側に変化する。
交感神経節後線維末端に存在するアドレナリンα2受容体の刺激は、サイクリックAMP(cAMP)の減少と神経伝達物質の遊離抑制を引き起こす。
心筋細胞のアドレナリンβ1受容体の刺激は、cAMPを増加させ、心筋収縮を促進する。
ヒスタミンH2受容体の刺激は、ジアシルグリセロールとイノシトール1,4,5-三リン酸の生成を促進する。
セロトニン5-HT2受容体の刺激は、Cl-流入を引き起こし、膜電位は過分極側に変化する。
1(a,b,c) 2(a,b,e) 3(a,c,d)
4(b,d,e) 5(c,d,e)
解答 1
○ 神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体は、ナトリウムチャネル内蔵型受容体であり、刺激によりNa+チャネルが開口し、筋細胞内へのNa+流入することにより、膜電位が脱分極側に変化する。
○ 交感神経節後線維末端に存在するアドレナリンα2受容体はGiタンパク共役型受容体であり、刺激によりアデニル酸シクラーゼが抑制され、それに伴いサイクリックAMP(cAMP)の減少し、神経伝達物質の遊離抑制を引き起こす。
○ 心筋細胞のアドレナリンβ1受容体は、Gsタンパク共役型受容体であり、刺激によりアデニル酸シクラーゼが促進され、それに伴いcAMPを増加し、心筋収縮を促進する。
× ヒスタミンH2受容体は、Gsタンパク共役型受容体であり、刺激によりアデニル酸シクラーゼが促進され、それに伴いcAMPを増加する。
× セロトニン5-HT2受容体は、Gqタンパク共役型受容体であり、刺激によりホスホリパーゼCの活性化を引き起こす。