『開発援助の評価の課題と解決方法』

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    開発援助の評価の課題と解決方法
    日本では、厳しい財政状況を背景に開発援助の透明性確保と効率的実施に対する国民からの要求が以前に増して高まっている。このような前提条件の下で評価の役割や重要性は、開発援助の量から質への転換と透明性の確保を図るための有効手段として認識されるようになった。1991年経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)により、「開発援助における評価原則」が採択され、すでに世界的な開発援助評価の指針となっている。
    本文では、現在行われている日本開発援助の評価の課題を想定し、解決方法へ向けての提言を試みる。ここでは、日本開発援助におけるプロジェクト・レベルの評価を中心として検討し、評価に関する課題及び解決の糸口を見出すことにする。
    第一、被援助国側の社会的効果をどのように測るかは非常に難しい問題である。一般的に評価の対象となるのは、経済成長率、貯蓄率などのマクロ経済指標、生活水準、所得格差などの社会面の指標あるいは女性の地位を含む社会構造の変化などが挙げられる。経済的効果の場合、プロジェクト事業の実施に伴う費用と事業による便益とを比較して算出することができる。しか...

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