『県民性の日本地図』江戸と東京の気質

閲覧数3,870
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    『県民性の日本地図』<武光 誠著,文春新書,2001年刊>
    江戸と東京の気質
    新時代の都市民
    昔からもてはやされた、江戸っ子気質というものがあり、涙もろくて、お節介で、義理堅く、短気で口が悪いが、正義感が強くて金銭に執着しない。江戸っ子は、このような生き方を好んだといわれる。
    しかし、これは江戸、東京といった様々な出身地をもつ人々は集まる大都市の人々が「このような隣人がいれば良い」と考える人物像がある。こういった都市民の理想像が芝居などの「江戸っ子」ではなかったろうか。
    今日の東京人の特徴として、大部分の人々はきわめて冷静な合理主義者であること,
    他人に干渉したり、干渉されたりするのを嫌いでお互いに深入りしない付き合いを望むこと,そうでありながら、社交的で人あたりが良いこと,東京人は陽気に見えるが、それは外にむける顔であり、一人になったときに、自分だけの世界に閉じこもる東京人も多いことなどの個人主義の他に情報への関心度が高いことがあげられる。
    このような東京人の気質は、近代の都市生活の中から生まれてきて、「江戸っ子」的なものから今日の東京人への変化は、江戸時代から近代への都市の役割の変化と深くかかわって生じたものといえる。
    新東京人の時代
    江戸っ子と呼ぶことができる古くからの東京人は、現在の東京住民の15.9%程度である。(東京に三代住まないと江戸っ子ではないといわれる。)
    つまり今の東京には、昔からの江戸っ子と、他県からの移住者とが混在している。そして、戦後に他県からの移住者が主導権をとる形で、「新東京人」とでもよぶべき人々の気質が生み出されてきた。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    「基礎文献講読練習」
    『県民性の日本地図』<武光 誠著,文春新書,2001年刊>
    江戸と東京の気質
    新時代の都市民
    昔からもてはやされた、江戸っ子気質というものがあり、涙もろくて、お節介で、義理堅く、短気で口が悪いが、正義感が強くて金銭に執着しない。江戸っ子は、このような生き方を好んだといわれる。
    しかし、これは江戸、東京といった様々な出身地をもつ人々は集まる大都市の人々が「このような隣人がいれば良い」と考える人物像がある。こういった都市民の理想像が芝居などの「江戸っ子」ではなかったろうか。
    今日の東京人の特徴として、大部分の人々はきわめて冷静な合理主義者であること,
    他人に干渉したり、干渉されたりするのを嫌いでお互いに深入りしない付き合いを望むこと,そうでありながら、社交的で人あたりが良いこと,東京人は陽気に見えるが、それは外にむける顔であり、一人になったときに、自分だけの世界に閉じこもる東京人も多いことなどの個人主義の他に情報への関心度が高いことがあげられる。
    このような東京人の気質は、近代の都市生活の中から生まれてきて、「江戸っ子」的なものから今日の東京人への変化は、江戸時代から...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。