1) 国際関係をめぐる認識や学問状況は、この20世紀に、どのように変化したか
当初の国際関係をめぐる認識や学問状況は、第一次世界大戦という悲惨な経験によって、平和を求める学問としての目的論的な志向をもっており、平和が国家間の法的関係の改善によって実現されるというような理想主義に支えられていた。しかし、ファシズム諸国の侵略により国家間は無法状態に陥り理想主義は崩壊した。それに代わってこの国際政治の現実を直視しようとする現実主義が台頭してきたのである。国際政治が力をめぐる闘争であるという認識のもと、ナショナリズムや帝国主義、国際政治における力の分析が高まってきたのだった。つまり、単に「あるべき」国際政治を追求する理想主義の裏返しとして、現実主義の傾向が強まってきたのである。しかし、このような現実主義は主権国家を前提とした見方であったため国際政治の変容についていけず、よって国際政治の将来に対する予測を可能にしようとする理論的傾向が現れるようになる。それが、行動科学的方法のよる「いかに動くか」を探求するといったものであった。そして現在、この行動科学的方法が基礎となった平和研究が有力となってきており、戦争と平和の諸問題を科学的な視点から明らかにしていこうとする動きが見られるのである。
2)第一次世界大戦は、それまでの国際関係のあり方に、大きな変化をもたらした。?西欧で展開されてきた「それまでの国際関係のあり方」について説明?変化の内容を論じる。
第一次世界大戦以前、三十年戦争終結後にできた西欧国際体制が西欧の国際関係のあり方であった。この西欧国際体制は、国家主権の概念と国際法の原則、勢力均衡の政治といった三つを基盤としていた。主権国家同士が競う中で利害の対立が生じ、戦争という事態がもったらされたことによって国家間の法の必要性が人々に浸透していった。
国際関係をめぐる認識や学問状況は、この20世紀に、どのように変化したか
当初の国際関係をめぐる認識や学問状況は、第一次世界大戦という悲惨な経験によって、平和を求める学問としての目的論的な志向をもっており、平和が国家間の法的関係の改善によって実現されるというような理想主義に支えられていた。しかし、ファシズム諸国の侵略により国家間は無法状態に陥り理想主義は崩壊した。それに代わってこの国際政治の現実を直視しようとする現実主義が台頭してきたのである。国際政治が力をめぐる闘争であるという認識のもと、ナショナリズムや帝国主義、国際政治における力の分析が高まってきたのだった。つまり、単に「あるべき」国際政治を追求する理想主義の裏返しとして、現実主義の傾向が強まってきたのである。しかし、このような現実主義は主権国家を前提とした見方であったため国際政治の変容についていけず、よって国際政治の将来に対する予測を可能にしようとする理論的傾向が現れるようになる。それが、行動科学的方法のよる「いかに動くか」を探求するといったものであった。そして現在、この行動科学的方法が基礎となった平和研究が有力となってきており...