鉄工業の国際比較

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    資料紹介

     18世紀後半から19世紀前半のイギリスにおける産業革命は綿工業を主導に鉄工業などの関連産業の発展を促していった。この両工業の技術革新には大きな違いがあり、綿工業は労働節約的であったのに対し、鉄工業は木炭からコークスへの燃料転換に象徴される資本節約的な革新であった。鉄工業の技術革新は熔鉱工程・製錬工程・製鋼工程と段階別に順次移行していくことである。
     ダービー1世の開発したコークス製鉄法と、その後1783〜84年にヘンリ・コートが溝型ローラーによる鋼材の圧延法と擬拝式錬鉄法(パドル法)を完成し特許をとってからは、石炭を使った製鉄法がいっきに普及した。こうしてイギリス鉄工業は自立化に成功し、自給自足体制から次の鉄輸出の時代を迎えるとともに、鉄道時代が幕を開けるのである。
     イギリスの鉄工業発展の特徴として、スコットランド人技師の活躍がベースにあることである。ベルやレニー兄弟、またアメリカで活躍し「鉄鋼王」と呼ばれるカーネギーもスコットランド人である。彼らは母国で技術訓練を受けた後、就業機会を求めてイギリスに下り、赤貧・敬神・勤勉の民族的特性を生かして「イギリス産業革命はスコットランド人の革命」といわれるほどの成功を収めたのであった。
     鉄工業と鉄道がその誕生・発展に密接な関係にあることは、イギリスに限らずどの国においても同様である。フランスでは1827年にから石炭などの輸送目的で鉄道敷設が始まり、後に蒸気機関車が導入されて乗客輸送が開始され、1840年代に鉄道ブームが起こった。しかしパドル法による鉄生産量の増大は1850年代に入ってからである。こうしたことからもわかるように、イギリスでは鉄工業などの発展の上に鉄道時代が始まったのに対し、フランスでは鉄道ブームによって鉄工業が促されたという相違がある。

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    B. 鉄工業の国際比較
      18世紀後半から19世紀前半のイギリスにおける産業革命は綿工業を主導に鉄工業などの関連産業の発展を促していった。この両工業の技術革新には大きな違いがあり、綿工業は労働節約的であったのに対し、鉄工業は木炭からコークスへの燃料転換に象徴される資本節約的な革新であった。鉄工業の技術革新は熔鉱工程・製錬工程・製鋼工程と段階別に順次移行していくことである。
    ダービー1世の開発したコークス製鉄法と、その後1783~84年にヘンリ・コートが溝型ローラーによる鋼材の圧延法と擬拝式錬鉄法(パドル法)を完成し特許をとってからは、石炭を使った製鉄法がいっきに普及した。こうしてイギリス鉄工...

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