小児の腎生検
目的
腎の複雑な構造と生態を知るために行なう。臨床診断を病理組織学的に確かめることができ、基礎疾患の鑑別、治療選択、薬剤効果と予後の判定ができる。
対象
急性及び慢性腎疾患患者
適応
血尿に持続性の蛋白尿(早朝尿にて30mg/dl以上)を伴う。
蛋白尿-早朝尿に30mg/dl以上が持続。
ネフローゼ症候群
1才未満の発症
持続的血尿、肉眼的血尿、高血圧、腎機能低下、低補体血症を伴うもの。
プレドニンを4週間以上投与しても反応しないもの。
糸球体腎炎
急性糸球体腎炎で低補体血症が8週間以上、腎機能低下が2週間以上続く例。
紫斑病性腎炎でネフローゼ、高血圧、腎機能低下が1g/㎡BSA/dayの蛋白尿を認めるもの。
SLE
急性腎不全
腎移植-片腎の腎生検は通常禁忌であるが、移植後に関しては管理のうえで必須。
禁忌
絶対的禁忌 出血傾向のある時。片側腎(移植後以外)。化膿性腎疾患及び腎周囲膿瘍。
相対的禁忌 出血の危険のある患者(高度の腎機能障害、高血圧)、腎の形態的異常(高度の水腎症、のう胞性腎疾患)などは開放性腎生検の方が安全である。ま...