転倒・歩行について
加齢に伴う影響
①視力低下
加齢に伴う水晶体の弾性の減弱や毛様体筋の萎縮により,調節力が低下するため,近くにある対象物(段差など)がぼやけて見えるようになる。また視野は狭くなる。
瞳孔が萎縮することもあり、明暗の変化に慣れるのに時間がかかるようになる。とくに明るい所から暗い所への移動は、暗がりに慣れるまでの問,視覚情報が途絶えることになり危険である。また加齢に伴い色覚が低下する。
②聴力低下
老化に伴い、聴神経系の機能が低下。高音域が聞こえにくいため発語は聞こえても発語の理解が難しくなる。また鼓膜の弾力繊維が変化し、鼓膜の運動制限が生じる。
通常の状態であればその危険物に気づいて回避できるが,視力や聴力の低下をきたすと危険物の認知ができにくく、転倒の原因となる。
③平衡感覚の低下
老化に伴って、平衡感覚の低下から安定姿勢での体位の保持でも重心の動揺が大きくなることも,転倒の原因の一つである。またバランスを崩した時に体勢を元に戻し難い。
感覚器官の機能低下などが加わり,姿勢保持力や敏捷性が低下する老年者は若年者に比べて2~3倍も重心が揺れるのに,それに耐えられる面積は...