1.はじめに
今日の中学校、高等学校では卒業と同時に就職する生徒は少ない。就職率は中学校0.9%、高校17.1%である。専門高校の職業中心の学科を除けば、高校の就職希望者は、中学校以下かもしれない。
このようなこともあり、保護者や教員の関心も進学に重きを置きがちである。しかし少数だが、就職する生徒に対しても、十分に時間をとった相談を欠かしてはならない。また、進学する者も、最終的には就職へとつながるのだから、職業に焦点を当てた進路指導を学校全体として取り組んでいく必要がある。
そう考えると、進路指導とは、究極的には職業指導なのである。特に大学進学においては、職業選択に影響があるのだから、職業に焦点をあてる、あてないにかかわらず、進路指導を行う場合、その者の職業適性というものが関わってくるのだ。
2.職業適性
職業適性とは、広義には「一定の職務を遂行するのに必要な個人の能力的・性格的資質」だと定義できる。この場合、職業適性は、職業適合性とも言われる。これに対し、狭義に捉える場合は、個人のパーソナリティー特性や欲求の興味、態度などの性格的資質とは区別して用い、個人の知能、資格能力、運動能力などの能力的資質に限定して使用し、現在持っている能力だけでなく、本人が将来において獲得できるであろう能力の学習可能性を示している。この場合の能力とは、何らかの活動をなしうる精神的、身体的な力を表し、現に所有している力だけでなく、未来への可能性も含めた力として継続的で、発展的に使用する場合にこれを適性という。
職業は、人間の継続的な活動であるということと、社会的な行動様式であるという2点から考えると、職業適性を把握するには、個人の持つ身長、体重、容貌、姿勢などの形態的なものや、知能や性格などの精神的なものもみる必要がある。
「職業適性と進路指導のあり方について論じなさい。」
1.はじめに
今日の中学校、高等学校では卒業と同時に就職する生徒は少ない。就職率は中学校0.9%、高校17.1%である。専門高校の職業中心の学科を除けば、高校の就職希望者は、中学校以下かもしれない。
このようなこともあり、保護者や教員の関心も進学に重きを置きがちである。しかし少数だが、就職する生徒に対しても、十分に時間をとった相談を欠かしてはならない。また、進学する者も、最終的には就職へとつながるのだから、職業に焦点を当てた進路指導を学校全体として取り組んでいく必要がある。
そう考えると、進路指導とは、究極的には職業指導なのである。特に大学進学においては、職業選択に影響があるのだから、職業に焦点をあてる、あてないにかかわらず、進路指導を行う場合、その者の職業適性というものが関わってくるのだ。
2.職業適性
職業適性とは、広義には「一定の職務を遂行するのに必要な個人の能力的・性格的資質」だと定義できる。この場合、職業適性は、職業適合性とも言われる。これに対し、狭義に捉える場合は、個人のパーソナリティー特性や欲求の興味、態度などの...