褥瘡について
加齢に伴う影響
表皮増殖能の低下
加齢に伴って表皮は薄くなり、角質層の増殖低下が生じ表皮の修復が障害される。
表皮・真皮結合部の扁平化
細胞性免疫は加齢に伴って低下し,低栄養・慢性疾患・入院によって悪化する。したがって局所の炎症反応が低下するので,切迫した皮膚の破壊の発見がおくれる。また,ストレスのもとでは損傷の危険が高くなる。
創傷治癒能の低下
老人の皮膚では損傷後の上皮形成が遅延し,創傷収縮の開始までの時間が延長し、創傷周辺の収縮速度が遅延する。
微小循環機能の低下
真皮の微小血管の加齢による変性によって,局所の血流低下,温度調節機能の低下,老廃物の排出機能の低下がおこる。その結果,無酸素性障害が生じやすくなり,褥瘡の初期変化である発赤や皮膚温の上昇が不鮮明になり,見逃しやすい。
痛覚の低下
老化による知覚の全般的な低下に伴い痛覚は低下する。鎮痛剤。鎮静剤の効果が加わると,痛みの訴えが少ない。糖尿病の知覚障害の合併も痛みの訴えが少ないので,褥瘡の発生は高率になる。
コミュニケーション手段
痛みなどを看護師に伝えられる
低栄養
食欲不振などによる食事摂取量の低下のために...