はじめに
手術のための体位固定は、手術の目的を円滑に達成するためにきわめて重要である。
手術を受ける患者様は、麻酔薬や筋弛緩薬などによって、疼痛や筋緊張などの生理
的な防衛反応がなくなる。そのため、麻酔時の体位が生体に及ぼす影響を十分に理
解しその対策を立てておかなければならない。
手術体位の条件
よい手術体位とは、まず患者様にとつて安全 ・安案でなければならない。さらに手
術体位は、手術が安全に、安楽に行われるものでなければならない。
体位が呼吸器系に及ぼす影響
意識がある人の正常な一回換気量は約500mlで あるが、麻酔下で自発呼吸を行
つている患者様は麻酔自体の呼吸抑制によって役400mlに 減少する。手術を受
ける患者様は、この状況にさらに体位の影響が加わることとなる。呼吸運動は横隔
膜の移動と内コ外肋間筋収縮による肋骨の移動、および補助呼吸筋による胸郭運動
によって行われているが、その約70%を 横隔膜が担つている。ゆえに横隔膜を抑
制する体位は呼吸に及ぼす影響が大きい。たとえば、砕石位による横隔膜の運動抑
制によつて肺活量は20%減 少する。
①仰臥位
意識のある人で、仰臥
は じめに
手術のための体位固定は、手術 の 目的を円滑に達成す るためにきわめて重要 で ある。
手術 を受 ける患者様 は、麻酔 薬 や筋弛緩 薬な どによって 、疼痛や筋緊張な どの生理
的な防衛反応がな くなる。そのため、麻酔時の体位が生体 に及ぼす影響 を十分に理
解 しその対策 を立 てておか な けれ ばな らない。
手術体位の条件
よ い手術体位 とは、まず患者様 に とつて安全 ・安案でな けれ ばな らない。さらに手
術体位 は、手術が安全 に、安楽に行 われ るものでなけれ ばな らない。
体位 が呼 吸器系に及ぼす影響
意識が ある人 の正常な一 回換気量 は約 5 0 0 m l で
あるが、麻酔下 で自発呼吸 を行
つてい る患者様 は麻酔 自体の呼吸抑制 によって役 4 0 0 m l に
減少す る。手術 を受
ける患者様 は、この状況にさらに体位の影響が加わ る こと となる。呼吸運動は横隔
膜 の移動 と内 コ外肋間筋収縮 による肋骨の移動、および補助呼吸筋による胸郭運動
によって行われ ているが 、その約 7 0 % を
横隔膜 が 担...