哲学概論Ⅰカントにおける機械論と目的論

閲覧数3,808
ダウンロード数20
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    タグ

    目的自然問題人間原理機械判断運動概念カント

    代表キーワード

    哲学

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     物はすべて生成の運動において捉えられ、この運動を因果関係として考えると、因果関係としてみられる運動や生成が機械的に行われるという「機械論」と、ある一つの目的に向かって動くという「目的論」とがある。この二つの考え方は根本的に対立した立場にある。
     機械論の基本的な考え方は、「事物は、ある時間のうちに、自然の必然的法則としての因果の関係で生成するのであり、人間の意志や自由とは関係しない」というものである。すなわち、生成変化を機械的に説明しようとする考え方である。
     機械論に対して、目的論は対立関係にある立場である。世界は自然必然的因果性によって生起するのではない。目的論の立場は、人間の意図的な行為だけでなく、自然の事象や歴史の事象もすべてのものが目的によって規定されているという見方である。
     カントは機械論と目的論との関係、言い換えれば、自然の機械論的見方と自然の目的論的見方との関係について、著書で明確に論じている。彼は機械論と目的論の両者の説明方法の関係を、目的論的判断力アンチノミーの問題として定式化し、その解決を試みている。
     アンチノミーとは、二つの相矛盾する命題、すなわち正命題と...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。