国際政治はどのようにして歴史分析のための重要な要素の1つとなったのか。
それは、国際政治は歴史そのものであるからだと私は考える。
国際政治とは政府間の政治にかかわるさまざまな相互作用の総体ということになる。また、国家を基盤とした人間の集合体の間の政治的相互作用であり、その相互作用のネットワークは単に政府間にのみ限定されるものではない。国際政治の行為主体は政府だけではなく、さまざまな非政府組織も関与している。そこには政府間で構成されている国際機構や国際組織なども重要な行為主体となってくる。
このように領域が拡大している中で、そうした1960年代末から顕著になった「経済の政治化」という状況がある。経済規模が国家の枠組みを超えたかたちで拡大した結果、貿易などを通して他国に諸々の影響をもたらし、貿易の推移に応じて失業やインフレなど社会的問題をも引き起こすことになった。
このように、政治は経済と密接に関係しており、それはまた人を動かし、歴史を動かしてきた。ゆえに、国際政治は歴史そのものであると私は考えている。
次に国際政治の歴史をみてみると、三十年戦争を終結させた1648年のウェスト...