日本人の対人意識に基づく表現

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一、国技も日本語も同じ土壌から
 相撲:相手を土俵から排除することによって、「わたし」の縄張りが獲得できる。“攘夷的”名思想が読み取れる。親疎関係の「疎」へと押しやる。
   「土俵」に関する表現
    己の土俵を守る  相手を自分の土俵に引き込む 他人の土俵に踏み込む 
 柔道:中央に位置して相手を引っ張り込んで倒すによって、相手を克服して天下を取る自己側中心の縄張り意識である。上下関係の「下」の立場に組み敷く。
※日本語も国技も、共に“自己側”を中心にした縄張り意識が根底にある。
二、縄張り意識はどう反映するか
話し手   対立的     聞き手   聞き手を除外した「私自身」の立場で
わたし    親疎     あなた    述べる発想
―――「私」側の視点
話し手(私)
わたしたち/われわれ 仲間意識(上下関係)  聞き手を含めた「私たち」中心の発想         
           聞き手(あなた) ――― 「私たち」の視点
わたしたち  対立的     新たな聞き手  「彼」、「彼女」を傍観的に捉えている
―――「私」ないし「私たち」の視点
三、日本的な指示語の体系
話し手
聞き手
第三者
人称

わ/われ/あ/あれ
(わたし)
あちらのほう
(あなた)
そなた
かれ(あれ)
ものや事物
こちら
こっち
こちとら
そちら様
そっち
そのほう
あちら様
あいつ
場所や事物
そこここ/そんなこんなで
 (ソ/コの対応)
あちこち
あれこれ
ああだこうだ
(ア/コの対応)
「あなた/私」の関係はちょうど「ソ/コ」の対応に当たるし、「彼/私たち」の対応は「ア/コ」「カ/コ」の関係に相当する。どちらにしても、話者自身の目が基準になっている点では変わらない。

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日本人の対人意識に基づく表現
一、国技も日本語も同じ土壌から
 相撲:相手を土俵から排除することによって、「わたし」の縄張りが獲得できる。“攘夷的”名思想が読み取れる。親疎関係の「疎」へと押しやる。
   「土俵」に関する表現
    己の土俵を守る  相手を自分の土俵に引き込む 他人の土俵に踏み込む 
 柔道:中央に位置して相手を引っ張り込んで倒すによって、相手を克服して天下を取る自己側中心の縄張り意識である。上下関係の「下」の立場に組み敷く。
 
※日本語も国技も、共に“自己側”を中心にした縄張り意識が根底にある。
二、縄張り意識はどう反映するか
話し手   対立的     聞き手   聞き手を除外した「私自身」の立場で
わたし    親疎     あなた    述べる発想
―――「私」側の視点
            
話し手(私)
わたしたち/われわれ 仲間意識(上下関係)  聞き手を含めた「私たち」中心の発想          
           聞き手(あなた) ――― 「私たち」の視点
わたしたち  対立的     新たな聞き手  「彼」、「彼女」を傍観的に捉えてい...

コメント1件

renkuro 購入
縄張り意識について分かりやすく取り上げられている。
2006/11/01 22:31 (18年3ヶ月前)

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