「個別援助技術(ケースワーク)の理論と内容について述べなさい。」
ケースワークとは、簡単にとらえれば、専門的に援助をする者(ワーカー)がなんらかの問題を抱え悩む個人(ケース)に対して行う直接的な援助活動(ワーク)である。ケースワークでは、利用者が抱えている個別化された問題を対象とし、その問題解決のために援助者の専門的介入が展開される。援助者はその問題解決の過程で、利用者の心理や身体の側面のみでなく、社会的な側面の問題をも考慮して専門的援助を展開する。
ケースワークの源流は、19世紀半ば、イギリスで生まれたCOS(Charity Organization Society)による組織化された救済事業に求めることができる。当時のイギリスでは、資本主義の発展に伴って、増大しつつあった貧困者に対する私的救済事業が活発にされていたが、それらは無計画に行われていたため、無差別施与による濫救・漏救が問題となった。それに歯止めをかけ、救済の組織化と適正化を図るため、慈善組織協会が結成された。具体的な活動としては、貧困者の個別調査と慈善団体間の連絡調整を行い救済の適正化を図り、その一方、「施しではな...