事件記録教材第5号・第3分冊 殺人未遂被疑事件
1 本件犯行の犯人の同一性について,争う余地はないか。仮に,被告人が公判廷で人違いを主張した場合でも,同一性を認定できるか。
以下の点より犯人の同一性について争う余地あり。
①凶器発見されておらず、凶器に付着した血こんや指紋の鑑定ができない。
②金本の血液型はO型(甲6号89頁)、加川の血液型はA型(甲20号162頁)であるところ、加川の着衣に付着していた血こんはA型の人血であった。金本の腹部を刺し、その後もみ合ったという事実があればO型の人血が付着している可能性は高いが、それが記録中の証拠から見られない。
③被害現場の歩道上に付着していた血こんはすべてA型の人血であり(甲17号153頁)、金本の着衣に付着している血こんの状況(甲8号102頁)からみて足元まで血こんが付着しているが、歩道上においてO型の人血の付着は記録中の証拠から見られない。
事件記録教材第5号・第3分冊 殺人未遂被疑事件
1 本件犯行の犯人の同一性について,争う余地はないか。仮に,被告人が公判廷で人違いを主張した場合でも,同一性を認定できるか。
以下の点より犯人の同一性について争う余地あり。
①凶器発見されておらず、凶器に付着した血こんや指紋の鑑定ができない。
②金本の血液型はO型(甲6号89頁)、加川の血液型はA型(甲20号162頁)であるところ、加川の着衣に付着していた血こんはA型の人血であった。金本の腹部を刺し、その後もみ合ったという事実があればO型の人血が付着している可能性は高いが、それが記録中の証拠から見られない。
③被害現場の歩道上に付着していた血こんはすべてA型の人血であり(甲17号153頁)、金本の着衣に付着している血こんの状況(甲8号102頁)からみて足元まで血こんが付着しているが、歩道上においてO型の人血の付着は記録中の証拠から見られない。
④加川が金本を刺したと考えられる0時頃には看板の電気が消えており(加川の供述279頁)、現場から南側20メートル先に街路灯があるのみで現場付近は駐車場が多く人家も少ないこと(甲9号115頁)を考える...