『美術嫌いになる原因を具体的事例からさぐり、楽しい・わかる・できる授業を通して好きにさせるための手立てを、学習指導要領の目標及び内容・方法と関連づけて述べなさい』
元来、子どもたちは絵を描くことや何かを作ることが好きである。身の回りに素材や材料があれば特に制約がない限り、旺盛な好奇心をもって造形的な活動を行っている。例えば、雪が降り積もった日に「雪だるま」を製作したり、ノートや教科書に落書きをしたりする経験は誰にでもあることであろう。しかしながら、元来好きなはずの図工科や美術科も年齢を経るとともに嫌いになっていく生徒児童が増加していく。一体何が理由でそうなるのであろうか。
まず考えられるのは図工科や美術科で生徒児童が制作した作品の良し悪しを技巧性の優劣によって評価される傾向が強いためであると考えられる。幼い頃には人の評価など気にせずに自己を表現するために絵を描いたり物を作ったりするが、大きくなるに連れて自分の作品の出来栄えが気になるようになる。つまり、自分の作品に対する他人(先生や同級生など)の評価が気になるようになるのである。
そこで技巧性の優劣によって作品が評価されたらどうなる...