ミュラー・リヤー錯視における矢羽の長さと角度が錯視量に与える影響

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    心理学実験Ⅰ
    ミュラー・リヤー錯視における矢羽の長さと角度が錯視量に与える影響
    第1章 序 論
    私たちは五感を使って周りの情報を選択・収集している。この一連のプロセスの中で感覚として情報を物理的に受容する過程は基本的にはみな同じである。しかし、知覚は記憶との照合と意味づけの作業であるため個人差があり、また思いちがいなどのズレが起こる場合がある。この知覚におけるズレは物理的世界と心的世界とのズレとも言えるものであり、錯覚(illusion)と呼ばれている。
    錯覚はすべての感覚に生じており、視覚における錯覚を錯視(visual illusion)と言う。例えば、カップヌードルを2つ縦に並べると下のカップヌードルの方が大きく見える。これは、ジャストロー錯視という錯視で、同じ大きさの台形を縦に並べると隣り合う直線が長いほうの台形が大きく見えるというものである。錯視は幾何学的錯視、多義図形、逆理図形、仮現運動など多種多様であるが、単に錯視と略称される場合、幾何学的錯視を指すことがほとんどである。
    幾何学的錯視(geometrical optical illusion)とは、大きさ、長さ、方向、角...

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