「鎌倉幕府と執権政治について」
鎌倉幕府、執権政治の順に、考えて見る。
まずは、鎌倉幕府について考えてみる。
鎌倉幕府は、1192年(建久3年)に源頼朝が征夷大将軍に任官されて始まったとされていた。
しかしながら、源頼朝の権力・統治機構はそれ以前から存続していたために、現在ではこの説は支持されていない。
また、「日本で初の武家政権」とされたこともあったが、今日では平氏政権に次ぐ武家政権として位置づけられている。
平氏政権はあくまで朝廷内において、実権を掌握するにとどまることから、朝廷から独立した本格的な武家政権としては鎌倉幕府が最初と考えられている。
鎌倉幕府の成立時期については諸説ある。
その理由としては、鎌倉幕府がその武家政権としての体制を整えるまでにはいくつかの段階を経ていることがあげられる。
まず1180年(治承4年)に大倉に御所が置かれ、また幕府の統治機構の原型ともいうべき侍所が設置されて武家政権の実態が形成されたといえる。
そして権大納言兼右近衛大将に叙任され、公卿に列し荘園領主の家政機関たる政所開設の権を得たことで、いわば統治機構としての合法性を帯びるようになっ...