図書館における多文化サービスについて

閲覧数3,322
ダウンロード数56
履歴確認

資料紹介

1、はじめに
 日本における図書館は、国家の歴史的事業を保管するための文書の記録館として捉えられてきた。これは古代中国の考え方をそのまま真似たものであった。しかし戦後、アメリカ式図書館法が導入され、日本でもようやく図書館は〈市民のための施設〉と定義づけられるようになる。今日の公共図書館は「利用者を中心とした動的な知識の集合体で、その存在と発展は母体機構の制約と影響を受ける」ものである。(1)つまり今日の日本の図書館は利用者の知的要求に対し、その要求に応えることで発展してきたのだ。
 しかし近年、外国人労働者の増加により、日本でもその母体機構が多様になってきている。それに伴い、図書館では他文化サービスという新しいサービスを受け入れ始めた。そこで、各国の多文化サービスが現在抱えている問題点を通し、日本における多文化サービスのあり方について考えてみる。
2、アメリカ・カナダ・ドイツにおける多文化サービスの問題と対策
 「多文化サービスと一口に言っても、その民族的構成や各マイノリティの背景、彼らへの対応は国や時代により、かなり異なるものである」と安部氏が指摘しているように、(2)抱えている問題は各国により様々である。もともと多文化サービスを開始したのは欧米の図書館であった。彼らはどのように問題を打破していったのだろうか。ここでは、アメリカ・カナダ・ドイツの例をみていきたい。
(1)図書館側の問題点
?予算不足
 まず一番大きな問題は、外国語で書かれた図書を買うための十分な資金が確保できないことにある。これは、行政機関が図書館サービスの現状を把握していないことによる。
?人材不足
 近年、外国人労働者や難民を受け入れ始めた欧米諸国の図書館では、慢性的な司書不足に悩まされているが、わが国ほどは人材不足に悩んでいない。

資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

図書館における多文化サービス
                       
1、はじめに
 日本における図書館は、国家の歴史的事業を保管するための文書の記録館として捉えられてきた。これは古代中国の考え方をそのまま真似たものであった。しかし戦後、アメリカ式図書館法が導入され、日本でもようやく図書館は〈市民のための施設〉と定義づけられるようになる。今日の公共図書館は「利用者を中心とした動的な知識の集合体で、その存在と発展は母体機構の制約と影響を受ける」ものである。(1)つまり今日の日本の図書館は利用者の知的要求に対し、その要求に応えることで発展してきたのだ。
 しかし近年、外国人労働者の増加により、日本でもその母体機構が多様になってきている。それに伴い、図書館では他文化サービスという新しいサービスを受け入れ始めた。そこで、各国の多文化サービスが現在抱えている問題点を通し、日本における多文化サービスのあり方について考えてみる。
2、アメリカ・カナダ・ドイツにおける多文化サービスの問題と対策
「多文化サービスと一口に言っても、その民族的構成や各マイノリティの背景、彼らへの対応は国や時代により...

コメント10件

norako 購入
読みやすかったです。
2006/05/22 22:08 (18年9ヶ月前)

kazuhiro1109 購入
ok
2006/07/14 14:39 (18年7ヶ月前)

eden55 購入
ok
2006/07/17 20:31 (18年7ヶ月前)

shikaru 購入
参考になった。
2006/07/29 1:22 (18年7ヶ月前)

tarouw 購入
よかったです。
2006/07/31 9:19 (18年7ヶ月前)

riccia 購入
参考になりました
2006/08/20 8:05 (18年6ヶ月前)

koshikaban 購入
good
2006/09/07 3:46 (18年5ヶ月前)

yuzuchocolat 購入
参考になりました。
2006/09/30 8:34 (18年5ヶ月前)

ac018044 購入
良かったです。
2006/10/27 11:19 (18年4ヶ月前)

ts_107 購入
とても参考になりました。
2006/11/15 20:30 (18年3ヶ月前)

コメント追加

コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。