わが国の卸売市場は、全国より出荷される生鮮食料品を集荷し、集荷された生鮮食料品は仲買人の手を経て小売業に分配され、小売業者の手を経て最終的に消費者に販売される。つまり大量の供給と需要は卸売市場に集中し、その取引は迅速に行われる。
卸売市場は卸売市場法に基づいたもので、野菜・果実・魚類・肉類などの生鮮食料品を取扱品目とする中央市場である。迅速な流通と公正な価格による取引の実現を期して開設されている組織的市場で、生鮮食料品取引の場所あるいは施設を提供するものである。
生鮮食料品の特性として、生産が自然的条件に左右される、生産規模が零細である、季節的変化が大きい、腐敗性が高く迅速に処理する必要があるといったことから、価格変動は非常に大きい。このような理由から需給関係と価格相場を知るには、一箇所に集中させる必要があるのである。
従って生鮮食料品は卸売市場を経由して需給の統一整合をはかり、卸売市場を経由した市場流通が著しい発展を遂げてきた。しかし現在では、卸売市場を経由するか、経由せずに流通させるかは、供給者の自由になっている。卸売市場を経由するものを「市場流通」、経由しないものを「卸売市場外流...