刑法:刑法上の因果関係

閲覧数5,648
ダウンロード数28
履歴確認

    • ページ数 : 1ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1(1)因果関係とは、実行行為と構成要件的結果との間に必要とされる一定の原因・結果の関係のことをいう。
    (2)挙動犯においては実行行為がなされれば直ちに構成要件該当性を認めうるが、犯罪の大部分を占める結果犯においては実行行為と構成要件的結果との間に因果関係がなければ、犯罪は未遂にとどまる。
    2(1)因果関係の機能として挙げられるものは、構成要件的結果のうち、社会通念上偶発的に発生したとみられるものを、刑法的評価から除去し、処罰の適正化を図るというものである。
    この観点から、因果関係の成立には制限が加えられるが、刑法上の因果関係の判断基準をいかに解すべきか問題となる。
    (2)この点、因果関係が成立するためには「あれなければこれなし」という条件関係だけが認められればよいとする説がある。
    しかし、刑法上の因果関係をあまりに広く認めすぎ、処罰範囲が不当に拡大される点で、この説は妥当でない。
    (3)思うに、刑法上の因果関係は構成要件の要素のひとつであるので、自然的因果関係としての条件関係が認められるだけでは足りず、いかなる結果につき刑法的評価を加えて処罰するのが適切かという見地から、さらに限定を加えなければならない。
    そこで、条件関係があることを前提として、行為からその結果が発生することが社会生活上の経験に照らして一般的であり、相当であると認められる場合に、因果関係を認めると解する(相当因果関係説)。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    刑法課題レポート 8
    1.問題
    因果関係の意義と機能につき論ぜよ。
    2.回答
    1(1)因果関係とは、実行行為と構成要件的結果との間に必要とされる一定の原因・結果の関係のこ
    とをいう。
    (2)挙動犯においては実行行為がなされれば直ちに構成要件該当性を認めうるが、犯罪の大部分を
    占める結果犯においては実行行為と構成要件的結果との間に因果関係がなければ、犯罪は未遂
    にとどまる。
    2(1)因果関係の機能として挙げられるものは、構成要件的結果のうち、社会通念上偶発的に発生し
    たとみられるものを、刑法的評価から除去し、処罰の適正化を図るというものである。
    この観点から、因果関係の成立には制限...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。