タルコット・パーソンズとAGIL図式

閲覧数12,294
ダウンロード数22
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     社会学は、社会の一部を研究するものである必要はなく全体を研究するものである。すなわち社会学は、社会全体をその分析の単位とする特殊な学問だと考えられる。したがってその目的は、人間の行動を基礎にして社会構造や社会変動を研究し、秩序ないし説明可能な現象を読み取ることであろう。また、経済制度や政治制度などの専門的な独立した学問分野の研究対象になっているものでも、社会学的研究の対象になりうるだろう。どんな制度や社会過程でも「体系・システム」という性格を持っているからである。
     社会学のシステム論は科学的説明のための一種の理論的モデルでもある。社会を全体的にシステムとして捉え、諸個人間の相互行為のあり方を分析して、人間の行為と行為システムをもとにして現代社会の現実とそのメカニズムを解明したのはタルコット・パーソンズであった。
     彼は社会的行為・価値・規範・制度といった構造や機能の諸特性、社会的行為に関するパターン変数図式、システムの維持と存続のための概念等を析出して、人間行為と社会的現実を分析した。別言すれば、人間行為のシステムを地位・役割といった概念を使い、文化・社会・人格・行動等に区分された諸システム間の関連を機能的システム論の立場から深く分析して科学的に説明したともいえる。
     ここでは宗教という現象を「AGIL図式」によって説明する。元々宗教というものは神秘性・神聖性を秘めている信仰や行事であり、またそれらの連関的「体系」である。その宗教が体系としてもつ機能を社会学的にもっとも整然とした形で示そうとしたのがタルコット・パーソンズである。彼が生み出した「AGIL図式」は社会の機能についての一般理論であり、社会学の立場から宗教を全体社会の中に位置づけようとした場合の典型的例と見ることができるだろう。そこには「宗教の形態は社会、時代、文化によって様々に異なるとしても、宗教が社会において果たす機能は一定ではないか」という発想が含まれている。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    「タルコット・パーソンズとAGIL図式」
                     
     社会学は、社会の一部を研究するものである必要はなく全体を研究するものである。すなわち社会学は、社会全体をその分析の単位とする特殊な学問だと考えられる。したがってその目的は、人間の行動を基礎にして社会構造や社会変動を研究し、秩序ないし説明可能な現象を読み取ることであろう。また、経済制度や政治制度などの専門的な独立した学問分野の研究対象になっているものでも、社会学的研究の対象になりうるだろう。どんな制度や社会過程でも「体系・システム」という性格を持っているからである。
    社会学のシステム論は科学的説明のための一種の理論的モデルでもある。社会を全体的にシステムとして捉え、諸個人間の相互行為のあり方を分析して、人間の行為と行為システムをもとにして現代社会の現実とそのメカニズムを解明したのはタルコット・パーソンズであった。
     彼は社会的行為・価値・規範・制度といった構造や機能の諸特性、社会的行為に関するパターン変数図式、システムの維持と存続のための概念等を析出して、人間行為と社会的現実を分析した。別言すれば、人間行為の...

    コメント1件

    eri6 購入
    yoi
    2007/01/16 1:57 (17年10ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。