●証拠1:フラーレン
もし、小惑星や彗星が衝突したのが大陸ではなく深海底だったらどうか。海洋地殻には石英が少ないので、衝撃変成石英はできないだろう。また、大気中に飛び散った岩屑は少なく、衝突追跡子の代表であるイリジウムが地球にばら撒かれることもなかったろう。ペルム紀末のような古い時代の大量絶滅が海洋部への天体衝突によって起きたと証明するには、新たな追跡子が必要になる。新しい衝突追跡子の登場は新型の炭素分子の発見がきっかけになった。「フラーレン」と呼ばれる炭素分子である。フラーレンは60個の原子がサッカーボールの網目模様のように結びついたものだ。イリジウムのような物質が宇宙塵や小惑星、彗星に乗って地球に届いているのだから、もしかしたらフラーレンも宇宙から来ている可能性がある。では、本当にフラーレンが小天体に便乗してやって来たものであるとしよう。そうしたら、ここで疑問が浮かぶであろう。まず、破壊的な衝撃に耐えて生き残ったと考えていいのか。そうではなくて、衝撃時の高温高圧によって地上で生まれたものではないのか。ここで科学者たちは、フラーレンに奇妙な性質があることを示した。フラーレンは宇宙からのガスをカゴ状構造の中に閉じ込めるという性質を持っていた。つまり、フラーレン分子は破局的な衝撃を生き延びたことになる。調査をしてみると、地球外フラーレンは中国と日本、南極で見つかっている。そして、ここの地層は絶滅が起きたのと同時期ということも分かった。よってフラーレンの衝突が大量絶滅の原因となっていると考えることもできるのだ。(676字)
●証拠2:イリジウム
イリジウムは隕石に多く含まれている元素である。イリジウムは地球表面の岩石には少ないが隕石の中に多く粘土層に保存されている。つまり、イリジウムがたくさん見つかる層があれば、衝突が起きた証拠になるだろう。
C60が語る巨大隕石衝突と大量絶滅
地球の歴史を46億年とすると5回の主な大量絶滅は「地球カレンダー」でいつごろか。
現在からの実際の時間 月日時分 4億4000万年前 11月27日2時5分13秒 3億6500万年前 12月3日0時54分46秒 2億5000万年前 12月12日3時54分46秒 2億年前 12月16日3時7分49秒 6500万年前 12月26日20時13分2秒
隕石などの衝突が大量絶滅の原因であると推測させる証拠
衝撃を受けて変成した岩石やクレーター
衝撃変成鉱物
マイクロスフェリュール
イリジウム
傷ついた岩
衝撃変成石英
地球外フラーレン
衝撃変成石英
シャッターコーン(衝撃波によって岩石に出来る筋)
●証拠1:フラーレン
もし、小惑星や彗星が衝突したのが大陸ではなく深海底だったらどうか。海洋地殻には石英が少ないので、衝撃変成石英はできないだろう。また、大気中に飛び散った岩屑は少なく、衝突追跡子の代表であるイリジウムが地球にばら撒かれることもなかったろう。ペルム紀末の...