「「四つの四重奏」について、あるテーマ
を選んで論述せよ。」
タイトル「永遠なる神の言葉をかいま見、現実を永遠化せよ。」
T・S・エリオットは『荒地』の次に、『四つの四重奏』という最大の長篇作品を生んだ。四つの地名を題とした構造になっており、この作品は一言でいえば、時間の永遠性を歌ったものである。それぞれの四重奏は五つのセクションを持ち、それぞれのセクションは他の四重奏中の同じようなセクションを反映するといった精緻な構造になっていて、最終の四重奏は先行する三つの四重奏のいわばテーマを総合するようになっている。
この作品はT・S・エリオットの詩的生涯で、最高の作品といわれる。この詩は第四部から構成されていて、第一部の『バーント・ノートン』は、最初は1941年にフェイバー社から単独で出版され、43年に他の三篇『イースト・コーカー』『ドライ・サルヴェイジズ』『リトル・ギディング』と共に四部作をなし『四つの四重奏』と題して発表された。
この詩の特徴はなんといっても詩人T・S・エリオットの詩想が思想と完璧に一致して、キリスト教の理念に裏うちされ、時間と非時間の形而上性がみごとな詩的探求の形...