(1)精神医学の歴史について
?欧米における精神保健の歴史
古くギリシャ・ローマ時代には、精神障害とは、悪い魂、悪魔、先祖の霊などによる、超自然力の影響によるとされていた。また中世に入ってからも、キリスト教などの宗教的影響が強く、精神障害者は「悪魔につかれたもの」として非情な迫害を受けていた。
1793年パリのビセ一トル病院で、ピネルは「精神病者は罰せられるべきではなく、悩めるひとりの人間として、あらゆる看護を受けるべき権利をもつ」と主張した。彼は鎖につながれて罪人の処遇を受けていた人々を病める人間とみなして、手足の鎖から解放したのである。このときフランス革命の自由・平等・友愛の精神が、時代の精神としてその底流にあったことも、大きな影響を与えていた。
精神医学という言葉は1808年フランスのこのピネルによってはじめて用いられ、精神病者の対応に画期的な改革をもたらした。
この精神障害者に対する本格的な医療が行われた18世紀後半を、精神医療の源と考えてもよいだろう。
その後ピネルの考えは、門下生のエスキロールによって受け継がれ、ヨーロッパ全土に広がっていった。
精神医療の歴史及び精神医学の概念について述べなさい。
精神医学の歴史について
欧米における精神保健の歴史
古くギリシャ・ローマ時代には、精神障害とは、悪い魂、悪魔、先祖の霊などによる、超自然力の影響によるとされていた。また中世に入ってからも、キリスト教などの宗教的影響が強く、精神障害者は「悪魔につかれたもの」として非情な迫害を受けていた。
1793年パリのビセ一トル病院で、ピネルは「精神病者は罰せられるべきではなく、悩めるひとりの人間として、あらゆる看護を受けるべき権利をもつ」と主張した。彼は鎖につながれて罪人の処遇を受けていた人々を病める人間とみなして、手足の鎖から解放したのである。このときフランス革命の自由・平等・友愛の精神が、時代の精神としてその底流にあったことも、大きな影響を与えていた。
精神医学という言葉は1808年フランスのこのピネルによってはじめて用いられ、精神病者の対応に画期的な改革をもたらした。
この精神障害者に対する本格的な医療が行われた18世紀後半を、精神医療の源と考えてもよいだろう。
その後ピネルの考えは、門下生のエスキロールによって受け継がれ、ヨー...