美容整形
美容整形をとりまく環境
美容整形に対する日本国民全体の認識も、10年前、20年前に比較すればずいぶんと深くなったと言えるのではないだろうか。現に個人開業を目指す医学生のうち、美容整形や形成外科に進む者の割合が、年を追うごとに上昇カーブを描いているという報告がある。ひとつには再生医療の研究が、生化学の急速な進歩によって大きく進展したことが挙げられる。またひとつには、年々高齢化に向かってその様相を変えつつある社会全体の要請として、アンチエイジングの一貫としての「審美的」美容整形が大きな期待を寄せられつつあることも見逃せない。
美容整形という医療分野が他の医療行為に比して過度に貶められ、誤解されてきた歴史は長い。これは我が国における、容貌に対する「世界でもまれな」認識と文化的背景に強制される部分が大きかったと言えるだろうし、前世紀における「美容整形のニーズ」が「特殊な利用者層」に限定されていたことにも起因している。そして何より我が国においては、これまた独自の「医療をめぐる法制度」の特殊性が、美容整形にとっての重い足かせになっていたと言えるのではないだろうか。
美容整形に対する意識と...