「「高学歴化社会」について述べよ。」
高度経済成長により物質的には豊かになり、
所得も今までより倍増した。そのため多くの人の家計にゆとりができ、上級学校への進学が可能になり、高い学歴への機会が大幅に高くなった。人々の高学歴化は増加し、この頃から学歴の持つ意味が変化し始めたのである。
わが国では、江戸時代の「士農工商」に象徴される「身分制度」から、明治維新以降、近代学校制度が整備され、誰でもがその能力と努力によって上級学校への進学の道が開かれ、社会のリーダーとして「出世」する機会が保障された。しかし、実際には義務教育であった小学校でさえ、家庭の経済的理由などから満足に通学できない生徒も多かったし、まして最高学府である「帝国大学」に進めるものは「名士・名家」の子どもに限られ、庶民の子どもはよほどのことがなければ中学にさえ進学できないのが、昭和初期までの現実であった。戦後、民主化が進められるなかで、義務教育が9年になり、高校・大学の数が大量に増えた。この新しい制度により人は親の財産や地位の世襲といった「生まれ」とは関係なく、どんな学校を出たのかという「学歴」を重視するようになった。学歴が...