経営の多角化について

閲覧数2,551
ダウンロード数18
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     私は金融業界に新規参入し経営の多角化を進めている企業について調べていき、『範囲の経済』についての概念や実状を検証していきたいと思う。

     まず、検証を進めていくにおいて『範囲の経済』の意味を明らかにしておく必要がある。『範囲の経済』とは個別の企業で生産するよりも同一企業内で生産する方がコスト削減などの面で有利となり、より効率的な経営が行えるようになるということである。近年では金融コングロマリッドという言葉をよく耳にするが、これも金融機関同士の障壁を取り払い、各企業が多角的な経営をするという意味で「範囲の経済」である。では以下で具体例を見ていく。

    1、アイワイバンク銀行
     アイワイバンク銀行はイトーヨーカドーグループによる銀行で、2001年に営業が開始された銀行である。この銀行はセブンイレブンやイトーヨーカドーといったグループ各店にATMを設置し、振込みサービスや普通預金の出入金などのサービスを提供している。この銀行の特徴はATMでの取引を原則としているため、有人店舗を設置していないこと、また預金通帳も発行せず、利用明細もインターネットで確認するというシステムを採用しているということである。ここに大きなコスト削減の要素が見られる。まず有人店舗を設置しないという点で固定資産にかかる費用や人件費などを大きく削減することに成功しており、ATM設置費用などはかかるがそれは微々たるものである。またグループ内にセブンイレブンという24時間営業でほぼ全国に展開されているコンビニエンスストアを有しているので、そこにATMを設置することで従来の大手銀行と十分競争できる窓口を確保することができている。実際、アイワイバンク銀行のATM数は三井住友銀行とともに国内最多の水準である。アイワイバンク銀行は貸付業務を行っていないため主な収入源は提携先から徴収する手数料収入であるがATM増設などの戦略により、採算のとれるATM一台につき一日70件の取引を確保できるようになった。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    企業経済分析
     私は金融業界に新規参入し経営の多角化を進めている企業について調べていき、『範囲の経済』についての概念や実状を検証していきたいと思う。
    まず、検証を進めていくにおいて『範囲の経済』の意味を明らかにしておく必要がある。『範囲の経済』とは個別の企業で生産するよりも同一企業内で生産する方がコスト削減などの面で有利となり、より効率的な経営が行えるようになるということである。近年では金融コングロマリッドという言葉をよく耳にするが、これも金融機関同士の障壁を取り払い、各企業が多角的な経営をするという意味で「範囲の経済」である。では以下で具体例を見ていく。
    アイワイバンク銀行
    アイワイバンク銀行はイトーヨーカドーグループによる銀行で、2001年に営業が開始された銀行である。この銀行はセブンイレブンやイトーヨーカドーといったグループ各店にATMを設置し、振込みサービスや普通預金の出入金などのサービスを提供している。この銀行の特徴はATMでの取引を原則としているため、有人店舗を設置していないこと、また預金通帳も発行せず、利用明細もインターネットで確認するというシステムを採用しているというこ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。