教育社会学・6題セット
国際化する社会に対応した教育とは何かについてまとめ、そのために学校はどのように変わらなければならないかを述べよ
日本の教育制度は国際的に自給・完結性が高く、これまで日本人にとって、幼稚園から大学院にいたるまですべての教育を日本で受けることはごく普通のことと考えられてきた。しかし、経済・文化活動を中心とした人的な国際移動の増加に伴い、また海外の教育機会の多様化によって、国境を越えた教育流動が次第に高まりを見せる今日、その完結性は必ずしも日本の教育の常識、そして利益とはいえなくなってきている。
そこで問題になるのが、国境をこえた教育の接続性であり、教育内容、単位・学位の互換性である。国境を越えて移動する子供たちにとって、前の国で受けた教育が次の国で認められるかは大きな問題であるが、これが原則的には保障されていないという事実に、われわれは必ずしも明確な認識があるとはいえない。
しかし現実に国境を越えた教育流動がある以上、そしてその当事者である子供たちにはそのデザインにかかわる権限や能力以上、システムを定義する側で、できる限り国家間の教育的デザインの矛盾を明確にして、そ...