責任
7-1 法律の錯誤(違法性の錯誤)
外国人Xは、賭博は日本でも許されると信じて賭博行為を行った。Xの罪責を論ぜよ。
Xは賭博罪(185条)の実行行為を行い、構成要件に該当する事実の認識もある。し
かし、Xは当該行為を違法ではないと思っており、違法性の意識を欠いている。そこで、
かかる場合に責任故意が阻却されないか。
↓
この点、違法性の意識は故意の要件として必要であるとする見解がある。
↓
しかし、かかる見解だと、違法性の意識が希薄化した確信犯を処罰することができなく
なってしまうため、妥当でない。
↓
そもそも、故意責任の本質は、規範の問題に直面し反対動機の形成が可能であったにも
かかわらず、あえて実行行為に及んだことに対する非難である。
↓
そうであるならば、違法性の意識がない場合でも、規範の問題に直面しえたのであれば、
故意責任を問うことができる。
↓
よって、違法性の意識は故意の要件ではないと考える。
↓
もっとも、違法性の意識の可能性すらない場合には、もはや反対動機の形成が不可能で
あるから、故意責任を問うことはできない。
↓
よって、
責任
7-1
法律の錯誤(違法性の錯誤)
外国人Xは、賭博は日本でも許されると信じて賭博行為を行った。Xの罪責を論ぜよ。
Xは賭博罪(185条)の実行行為を行い、構成要件に該当する事実の認識もある。し Tb:185
かし、Xは当該行為を違法ではないと思っており、違法性の意識を欠いている。そこで、 S:Rwの意識×、責任
かかる場合に責任故意が阻却されないか。
故意阻却?
↓
この点、違法性の意識は故意の要件として必要であるとする見解がある。
違法性の意識必要説
↓
しかし、かかる見解だと、違法性の意識が希薄化した確信犯を処罰することができなく 批判
なってしまうため、妥当でない。
↓
そもそも、故意責任の本質は、規範の問題に直面し反対動機の形成が可能であったにも
かかわらず、あえて実行行為に及んだことに対する非難である。
↓
そうであるならば、違法性の意識がない場合でも、規範の問題に直面しえたのであれば、
故意責任を問うことができる。
↓
よって、違法性の意識は故意の要件ではないと考える。
違法性の意識不要説
↓
もっとも、違法性の意識の可能性すらない場合には、もは...
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