児童福祉 レポート

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    資料の原本内容

    最近心無き親が幼い児童を危険に曝し、おいては死に追いやる悲しい事件が毎日のように起きている。
    平成16年の児童福祉法改正によって児童虐待への対策がより具体的なものとなり対処できる範囲や権限が拡大・再整備された。
     まず、家庭裁判所の後ろ立てが強化され、児童虐待について児童相談所の保護者への権限が強くなった。保護者による児童虐待がみられる場合、従来児童相談所の権限は里親委託や施設入所の措置を家庭裁判所に承認してもらうというものであったが、改正後はそれに加えて家庭裁判所が児童相談所に保護者への指導を勧告できるようになった。
     次に、児童の保護が行われた場合、今までは保護者との分離期間を定めていなかった為、引取りをめぐって保護者と児童相談所との間でトラブルになることが多かったが、その期間を最長2年と設定し、家庭裁判所で入所期間の延長を審査できるようにした。家庭裁判所がより深く関与することで、保護者への指導がより効果的になり、子供が将来再び家庭へ戻れるための対応が強化されることが期待されている。しかし、時に緊急介入が「勇み足」となってしまうこともあるだろう。それによって、係争となるかもしれない。もちろん慎重に慎重を重ねた調査と検討が必要であることは当然だが、「勇み足」を恐れたがために罪無き子どもが危険に曝されることだけはあってはならない。
     また、市町村ごとに学校、警察などの担当者が集まり、虐待対策を話し合うネットワーク(要保護保護児童対策協議会)が初めて法的に位置付け、参加者に守秘義務を設けて情報交換をしやすくしたと共により一層地域に根ざした活動ができるようになった。児童福祉法以外にも児童虐待に関連する様々な法律が成立・改正されている。平成11年には児童売春禁止法が制定され、平成16年の同法改正ではインターネット上の児童ポルノの取り締まりや罰則強化が計られた。また、平成12年には少年法が改正。刑事罰の適応年齢が16歳から14歳に引き下げられ、16歳以上の者が重大な罪を犯した場合、成人と同様の刑事裁判を受けさせることができるようになった。法律によって児童虐待の相談の受け皿が多くなり、行政の権限の強化、地域レベルでの取り組みの強化などが行われているが、専門的な知識を持つ相談員の不足、地域住民の意識の薄さによる児童虐待発見の遅れなどの対策についても検討が必要と思われる。
     最後に、これからも社会状況の変化に応じて児童福祉法の改正の必要もでてくるであろう。その場合には児童福祉法の理念に照らして、子どもたちが安全・安心な社会で心身ともに健やかに育てられ、かつ愛護されることがより確実になされるような未来にしなくてはならない。
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