遷移状態について
1.遷移状態の概略
図1は中間体のない反応のエネルギー図 である。横軸に反応座標 を、縦軸にポテンシャルエネルギーをとっている。図1は中間体を含まない反応のエネルギー図で、生成物系の方が安定なので発エルゴン反応である。反応途中に大きな山を越えるが、この山の高さが活性化エネルギーであり、この山の高エネルギー状態を遷移状態という。遷移状態が高いか低いかによって、反応速度が決まる。
2.ポテンシャルエネルギー曲面上での遷移状態
遷移状態とは、ポテンシャルエネルギー曲面 上で、反応系から生成系に至る最もエネルギー変化の小さい反応経路のうちでエネルギーの最も高いところである。ちょ...