ルターとカルヴァン
中世政治理論の最大の争点の一つ→ローマ教皇権に代表\される宗教的・霊的権威と世俗の権力との関係をどう考えるかにあった。
・ルターと政治権力
1517年、免罪符を弾劾する95条からなる命題を公表したルターは人間の救済について次のような議論を展開した。人間は自己愛の故に自らの力によって救済に至ることは出来ない。人間が義とされるのは、キリストを通して示されているような人類に対する神の無限の愛と恩寵によってのみである。そのために、人間のなすべきことはただ一つ、神の愛と恩寵とを一途に信ずることであり、こうした信仰によってのみである。
この議論は、当然人間の内面と神との直接的関係に救済の問題を還元し、それまで両者の関係を媒介していた教会は不要となる。そして各人の霊的権威は平等となる。 万人は等しく司祭となり、神の言葉を伝えるものとして聖書のみが拠り所とされた。
宗教改革と政治思想の展開
ルターとカルヴァン
中世政治理論の最大の争点の一つ→ローマ教皇権に代表される宗教的・霊的権威と世俗の権力との関係をどう考えるかにあった。
・ルターと政治権力
1517年、免罪符を弾劾する95条からなる命題を公表したルターは人間の救済について次のような議論を展開した。人間は自己愛の故に自らの力によって救済に至ることは出来ない。人間が義とされるのは、キリストを通して示されているような人類に対する神の無限の愛と恩寵によってのみである。そのために、人間のなすべきことはただ一つ、神の愛と恩寵とを一途に信ずることであり、こうした信仰によってのみである。
この議論は、当然人間の内面と神との直接的関係に救済の問題を還元し、それまで両者の関係を媒介していた教会は不要となる。そして各人の霊的権威は平等となる。
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万人は等しく司祭となり、神の言葉を伝えるものとして聖書のみが拠り所とされた しかし
このことは決して教会概念の消滅を意味しなかった。彼は万人司祭主義の理念から、その内面において信仰を持つ人々から成る一つの不可視的・霊的教会を導き出...