独立派の中から、近代民主主義思想の諸原理を掲げた水平派、平等派と呼ばれるグループが分かれてきた。
独立派の掲げた議会主権、制限君主制、課税額を基準にした議席配分などに対し、水平派は抽象的原理から導き出した新しい主張をぶつけた。その際に水平派は「人民協約」という文書を持ち出した。
*水平派の主張の核心・・・人間は神によって理性を与えられた自由で平等な存在であり、不可侵の権利(自然権)を持っており、何人たりとも奪うことはできない。その意味で人は生まれながらにして、人間としてもつ権利、人権が認められる。
これらの権利の観念は、これまでの権利(特権)とは異質であった。したがって、水平派はマグナ・カルタや伝統的国制を擁護しようとはしなかった。
独立派に取って自然権、人権という考え方は最も理解できなかった。