「職業適性と進路指導のあり方について論ぜよ。」
Ⅰ はじめに
職業を選ぶということは、どのような人生を歩むかを決めることでもある。どのような人生を送ろうと考えているか。また、そのためにどのような職業に就こうと考えているかは、人生観、職業観を追求していくことが必要となる。
未来を担う子どもたちが、自己理解のもと希望をもった人生を歩むことができる選択が、自己決定によってなされるよう環境を整えることが必要である。しかしながら、職業に就くということさえ叶わない現実がある。また、職業に就くことを軽視する子どもたちがいることも事実である。これらの現状のなかで進路指導のあり方を考える。
Ⅱ 職業とは
職業とは、「個性の発揮、連帯の実現および生計の維持を目指す人間の連続的な行為様式である。」とし、この三つの要件は関連し、これらの間に動的統一があり、かかる統一を成して職業を規定するものであると定義されている(尾高)。要件を言い換えると職業とは、「社会生活を営む人が、その天賦を発揮して、その役割を遂行し、これが報酬をもって生計を立てる継続的勤労である(伊藤)」。一般に、職業には、「経済性」「社会...