司法試験昭和27年度第4問
問題
立法及び行政の司法審査は、権力分立の原則と矛盾しないか。
答案例
1 憲法81条は、通常裁判所に違憲審査権を与え、立法及び行政に対する司法審査を予定するが、かように裁判所が立法・行政の憲法適合性を判断することは、権力分立の原則と矛盾するのではないか。以下検討する。
2 ここに権力分立の原則とは、国家の作用をその性質に応じて立法・行政・司法に分離し、それぞれを独立の国家機関に担当せしめ、もって相互に抑制・均衡を保たせようとする原則をいう。その目的は、権力の濫用を防止して、人権保障を全うする点にある。我が憲法も採用しており、立法作用を国会に(41条)、行政作用を...