「末期ケアの理念や現状を踏まえ、わが国の末期医療がどうあるべきか述べよ。」
末期ケアとは、ガンなどの病気にかかり、残された命があとわずかと医師から診断された患者が、安らかに人生を終えることができるように援助をすることである。
この末期ケアを行う上での理念については、以下の2つがあげられる。
① 末期患者と共に死を受け止め、患者の個性を尊重し重視する。
末期患者の死を、人間としてごく自然なこととして捉え、末期患者と共に死を見つめる姿勢を持つことが大切である。また、死に対する末期患者の希望を共に考え、どのように死を迎えたいかということを、家族も含めて考えることが必要である。
② 末期患者も自分もいつか死を迎える同じ人間であり、死は平等だと認識する。
末期ケアを行なう者も、いずれは末期患者と同じ立場にある。このことを認識した上で、末期患者と家族の立場に立ち、本当に求められているケアを行なうことが、重要なのである。
しかし、末期ケアの現状では、病名を告げるか告げないか、告げるにしてもどのような告げ方をしたら良いかという、告知の問題から始まる。末期患者の性格や受容能力を考えた上で、決定されなけ...