「精神保健福祉政策の概要について述べよ。」
精神保健とは、人々の精神面の健康を対象とし、精神障害の予防・治療、また、精神的健康を保持・向上させるための諸活動のことをいう。
現在、精神障害をもつ人たちが置かれている社会状況は、およそ10年前と比べるとかなり変化し改善されたといえる。
それは、1993年の障害者基本法の成立により、精神障害者を障害者として明確に位置付けたことにはじまり、1995年には、精神障害者の自立や社会参加への援助などがはっきりと明文化され、それに対する市町村自治体の役割までが明記された「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」と「障害者基本法」が改名されたことによる。これにより、精神障害者保健福祉手帳制度が新設し、都道府県が実施主体となり、通常雇用契約による就労の困難な精神障害者を対象に、社会的自立を援助する目的で、通院リハビリテーション事業が法定化された。他にもさまざまな対策・制度が設立されている。それについては、以下にあげる。
1 医療対策
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下、「精神保健福祉法」とする)により、精神障害者の人権を確保しつ...