かねてから興味のあった「五十音の成り立ち・発音」について調べ、レポートにまとめてみることにしました。
五十音図はインドのサンスクリット語を書き表す梵字(デーヴァナーガリー文字)の配列にその起源があるようです。「あかさたなはまやらわをん」の順序もそれなりに理由があるのだろう、と考えて「あかさたなはまやらわをん」と自分で発音してみると、なるほど、昔の人のやったことは古い、と言って馬鹿にしてはいけないということが実感できます。
「あ」の音声は喉の一番奥のほうから発声されて、その次の「か」は少し前のほうで発声されて、「さ」は更にその前で、という具合に喉の奥から順に口先・鼻先へと発声される場所の移動が整理されている、と私には感じられました。
そうすると、「は」が「ふぁ」から来ていることの痕跡がこの順番に見えてきます。「な」と「ま」の間に両唇を使って発声する「ふぁ」が来るのは道理にかなっているように思われます。
さらに興味深いのは「ら」の位置です。「ら」は「や」と「わ」の間に置かれています。「や(ya)」「わ(wa)」は半母音です。そして、日本語の「ら」行にも半母音として扱われた可能性があります。これは又「和語はラ行が語頭に来ない」ことと何らかの関係があるのかもしれない、と思いました。
スペイン語に「LL」という文字があります。これで一文字として独立しているものなのですが、スペイン語の辞書を引いてみるとたしかに「L」の項が終わってから「LL」の項が始まることを確かめることができます。この「LL」は日本のスペイン語入門書などでは「リャ・リュ・リョ」と発音するかのように説明されていることがありますが、実際は語・人によって(英語の音)「y」と「j」の間を揺れ動く音であるようなのです。「lluvia(雨)」は「ジュビア」と「ユビア」の間のどこに置いても正しい発音として扱われているようです。
ここからは私の推測です。
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かねてから興味のあった「五十音の成り立ち・発音」について調べ、レポートにまとめてみることにしました。
五十音図はインドのサンスクリット語を書き表す梵字(デーヴァナーガリー文字)の配列にその起源があるようです。「あかさたなはまやらわをん」の順序もそれなりに理由があるのだろう、と考えて「あかさたなはまやらわをん」と自分で発音してみると、なるほど、昔の人のやったことは古い、と言って馬鹿にしてはいけないということが実感できます。 「あ」の音声は喉の一番奥のほうから発声されて、その次の「か」は少し前のほうで発声されて、「さ」は更にその前で、という具合に喉の奥から順に口先・鼻先へと発声される場所の移動が整理されている、と私には感じられました。 そうすると、「は」が「ふぁ」から来ていることの痕跡がこの順番に見えてきます。「な」と「ま」の間に両唇を使って発声する「ふぁ」が来るのは道理にかなっているように思われます。 さらに興味深いのは「ら」の位置です。「ら」は「や」と「わ」の間に置かれています。「や(ya)」「わ(wa)」は半母音です。そして、日本語の「ら」行にも半母音として扱われた可能性があります。これは又「和語はラ行が語頭に来ない」ことと何らかの関係があるのかもしれない、と思いました。 スペイン語に「LL」という文字があります。これで一文字として独立しているものなのですが、スペイン語の辞書を引いてみるとたしかに「L」の項が終わってから「LL」の項が始まることを確かめることができます。この「LL」は日本のスペイン語入門書などでは「リャ・リュ・リョ」と発音するかのように説明されていることがありますが、実際は語・人によって(英語の音)「y」と「j」の間を揺れ動く音であるようなのです。「lluvia(雨)」は「ジュビア」と「ユビア」の間のどこに置いても正しい発音として扱われているようです。 ここからは私の推測です。 古代日本語の「ら」行はスペイン語における「LL」のような音だったのではないでしょうか。語や人によって印象が変わる、こんな曖昧な音を語頭に持ってくることを古代の日本語使用者は避けたのではないだろうか。
日本語の「あかさたなはまやらわをん」の順序、あるいは「ラ行」の音について、右記のような研究がされているのかどうか分かりませんが、もし何か関係のある資料や説明があればぜひ紹介して頂きたいです。焦点をあてる部分が余りに狭かったかもしれませんがとても調べたかったことなので。。。また機会があれば平安時代の貴族たちの使っていた言葉についてもしらべたいです。
参考資料
「書いて覚えるヒンディー語の文字 デーヴァナーガリー文字入門」町田和彦 著(白水社)
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