日本における少子化の現状とその原因

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    日本における少子化の現状とその原因についての考察
    1.少子化の現状
     
    日本における合計特殊出生率は1974年以降、継続的に置換え水準出生率を下回っている。20代前半女性の出生率の急激な低下として始まったこの現象は当初、女性の高学歴化による晩婚化が主因と考えられ、出生年齢が高年齢にずれ込むことによって、合計出生率はいずれ元の水準にまで回復すると考えられていた。事実、晩婚化の先駆けであった1950年代生まれの女性の平均子ども数は、最終的には以前の世代と変わらない水準を示している(国立社会保障・人口問題研究所 2006)。しかし1960年代後半生まれの女性が出産年齢に達した1990年代以降、20代の出生率の低下を埋め合わせるほどには30代以降の出生率が上昇しておらず、合計特殊出生率は1.2台にまで落ち込んだ。
     2005年の国勢調査によると、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合(高齢化率)が21.0%に上昇、一方、15歳未満の年少人口の割合は13.6%に低下し、少子化・高齢化ともに世界一となった。少子高齢化の先頭を走る日本は、そのス...

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