『源氏物語』浮舟物語について

閲覧数6,171
ダウンロード数39
履歴確認

    • ページ数 : 6ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    授業では源氏物語第三部、宇治十帖の浮舟物語について取り上げ、後期では浮舟巻、蜻蛉巻、手習巻、夢浮橋巻を取り上げた。
    そこで、このレポートでは三角関係を主に考えながら浮舟という女性について、また宇治十帖の世界について考えたいと思う。

    浮舟巻〜夢浮橋 内容
    浮舟 匂宮との密通が薫の知る所となり、薫の激しい詰問、匂宮の甘い誘い、容赦なき母の言葉、侍女達の遠慮のないおしゃべりなどによって入水へと追いつめられていく浮舟を描く。
    蜻蛉 浮舟の失踪を知った薫や匂宮、人々は歎き悲しむ。
    手習 横川の僧都に助けられて蘇生していた浮舟が、愛欲の世界を振り捨てて出家を遂げる。
    夢浮橋 再会を求める薫の手紙を拒絶する浮舟を描く。

    3.三角関係
     薫は、源氏の子とされているが、本当は光源氏の正妻女三の宮と柏木との不義の子である。彼は出生の秘密に悩み、厭世の心を深くし、仏道にひかれ、宇治に住む道心深い八の宮のもとに出入りすることになる。そこで彼は大君を愛するようになるが、彼女は亡くなってしまう。薫は、亡き大君の面影を最初はその妹の中君に、それから異母妹の浮舟に求めた。浮舟はその容姿が驚くほど大君に似ていたが、教養が無かった。やっぱり亡き恋人と同じではない。しかし大君の面影を見て、ゆったりと浮舟に愛情を注ぐ。そんなある時、薫の友人で源氏の孫にあたる匂宮が薫のふりをして浮舟の寝室に入り込み、そのまま関係を持ってしまった。彼女は泣き続けるが薫とは違った情熱的な愛され方に次第に惹かれていく。匂宮は浮舟の心をたくみにとらえた。薫は、理性の人であり、匂宮は感性の人である。浮舟自身も感性の人であったから、匂宮の激しく一途の心に反応し、彼との間に深い一体感を感じることが出来た。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    『源氏物語』浮舟物語について
             
     1.はじめに
     授業では源氏物語第三部、宇治十帖の浮舟物語について取り上げ、後期では浮舟巻、蜻蛉巻、手習巻、夢浮橋巻を取り上げた。
    そこで、このレポートでは三角関係を主に考えながら浮舟という女性について、また宇治十帖の世界について考えたいと思う。
    2.浮舟巻~夢浮橋 内容
    浮舟 匂宮との密通が薫の知る所となり、薫の激しい詰問、匂宮の甘い誘い、容赦なき母の言葉、侍女達の遠慮のないおしゃべりなどによって入水へと追いつめられていく浮舟を描く。
    蜻蛉 浮舟の失踪を知った薫や匂宮、人々は歎き悲しむ。
    手習 横川の僧都に助けられて蘇生していた浮舟が、愛欲の世界を振り捨てて出家を遂げる。
    夢浮橋 再会を求める薫の手紙を拒絶する浮舟を描く。
    3.三角関係
     薫は、源氏の子とされているが、本当は光源氏の正妻女三の宮と柏木との不義の子である。彼は出生の秘密に悩み、厭世の心を深くし、仏道にひかれ、宇治に住む道心深い八の宮のもとに出入りすることになる。そこで彼は大君を愛するようになるが、彼女は亡くなってしまう。薫は、亡き大君の面影を最初はその妹の中君に、それ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。