「アジアに学ぶ視点について述べ、これからの我が国の国際協力のあり方について論ぜよ。」
1.アジア観について
(1)日本人のアジア観:日本は、国際社会のなかでは、アジア諸国の一つと位置付けられている。しかし、そのアジアと言う括りの中に、日本以外にどんな国が名を連ねているかなどについては、詳しく知られてはいない。また、その時々の時代背景、政治内容などで関係が変化をしていき、身近になったり遠い存在になったりする。そのため、一番身近な国々であるのに、なかなか詳しく知らないのが現状である。
「アジア」と聞くと、まず始めに頭に浮かぶのが、「危険」、「貧しい」、「汚い」といった軽視した悪い印象が思い付く。日本に比べ経済的な遅れや社会主義的な考え方といったイメージが強い。これに対して、欧米、とくにアメリカには憧れにも似た感覚を子供の頃から感じ、留学や旅行もアジア地域に行くよりも、欧米に行くことが、華やかなイメージがある。これは日本がアジアの中にある国の一つであり、また同人種的なものがあるため、親近感をもっている為かもしれない。本人が日本人に違和感がないのと同様にアジア諸国の人々に対しても違和感がなく、...