五体不満足が出版され乙武さんがテレビに出始めた頃、私は中学生であった。テレビを通して初めて乙武さんを見た時のことは今でも忘れられない。私の第一声は『あっ・・・』と言葉が詰まってしまったのだ。そして『あの人、手も足もない!かわいそうだなぁ』という同情の目と『あの体で何一つの器機をつけずに人は生きることができるんだぁ!』という驚きの感情が入り混じり変な気持ちだった。しかし全文を読み終わったとき、そんな気持ちは一気に消え去った。乙武さんはもちろん家族にも“同情”しては逆に失礼だったと本を読む前の自分を反省してしまった。
乙武さんが述べているように、親が生まれてくる子供に対して思うことは“健康で生まれてきてくれたら”とか“五体満足でいてくれたら”という言葉であるだろうし、そういう言葉はよく耳にする。乙武さんの母も、子供を授かった時はそう願ったに違いない。しかし生まれてきた子供は身体に障害をもっている。たいていのいや、ほとんどの親なら驚き悲しみ自分を責めるであろう。しかし、乙武さんの母は違った。1ヶ月たって初めて会った息子に対する言葉が『かわいい』だったのである。この言葉がでてきたことに私は衝撃を受け、なんて肝の据わった人なんだろう!と、ただただ感心してしまった。
五体不満足が出版され乙武さんがテレビに出始めた頃、私は中学生であった。テレビを通して初めて乙武さんを見た時のことは今でも忘れられない。私の第一声は『あっ・・・』と言葉が詰まってしまったのだ。そして『あの人、手も足もない!かわいそうだなぁ』という同情の目と『あの体で何一つの器機をつけずに人は生きることができるんだぁ!』という驚きの感情が入り混じり変な気持ちだった。しかし全文を読み終わったとき、そんな気持ちは一気に消え去った。乙武さんはもちろん家族にも“同情”しては逆に失礼だったと本を読む前の自分を反省してしまった。
乙武さんが述べているように、親が生まれてくる子供に対して思うことは“健康で生まれてきてくれたら”とか“五体満足でいてくれたら”という言葉であるだろうし、そういう言葉はよく耳にする。乙武さんの母も、子供を授かった時はそう願ったに違いない。しかし生まれてきた子供は身体に障害をもっている。たいていのいや、ほとんどの親なら驚き悲しみ自分を責めるであろう。しかし、乙武さんの母は違った。1ヶ月たって初めて会った息子に対する言葉が『かわいい』だったのである。この言葉がでてきたことに私は衝...