学校教育における生徒指導の役割はたいへん重要であることは言うまでもない。生徒の人格形成や将来像の確立、また集団生活における規律の遵守など多岐に渡っての指導は教師にとってたいへん根気強い作業である。しかしこれらは生徒の人間性を高めるための必要不可欠な作業であり、教師としてはいたって真摯に考慮していかなければならない。そのためには生徒個々の個性や特性を充分に把握した上で、どのような生徒指導が適切かを常に意識する必要がある。画一的な指導では効果が薄いばかりか生徒の信頼を得ることは難しいであろう。学校という集団生活の場において規律を守ることの必要性を説く上で、生徒の視線に立ち、理解を浸透させることも重要な役割のひとつであろう。規律に反する生徒に対し頭ごなしに叱りつけるようなことは避け、その生徒がなぜそう考え、また行動するに到ったのかをじっくりと分析した上で適切な対応を講じなければならない。学力不振で無気力な生徒と問題行動を起こし、非行の予兆が見られる生徒とでは指導の生徒指導のプロセスは大きく異なる。学業不振の生徒は、そのことに対し劣等感を抱いている場合が多い。劣等感を払拭させるために、他の得意...