自作のコイルとコンデンサーを用いた回路で電気的共振を観察し、インダクタンスと静電容量をはかる。
このように、共振回路は共振という現象をもちいたものである。共振とは、物体に固有な周波数で、外部から振動を加えると、振動が激しくなるものである。この性質を用いてある特定の周波数を取り出すことができる、共振周波数foは電気容量 C のコンデンサーとインダクタンス L のコイルを組み合わせたとき
fo= 1/{2π( L C )1/2}
で与えられる。ラジオ用のバーアンテナのインダクタンスはおよそ300μHであるので,最低周波数の500kHz程度を共振できるようにするためには,バリコンの容量は最大300pF程度あればよいことがわかる。
次にこの共振回路のQ値を求めた。共振時の最大電圧は40mVだったので、共振の前と後でその振幅の1/√2になるところの周波数をオッシロスコープの波形から求めf1、f2とした。するとf1=185.2kHz、f2=204.1kHz、共振周波数foは192.3kHzであった。したがって、Q値は
Q=10.175
となり、実験Aの13.19よりも小さくなった。Q値は共振の鋭さを表すのでこの回路は実験Aのときと比べて共振の鋭さが小さいことが分かった。今回は時間がなかったので、この回路で実験Aのように色々な周波数で振幅を観察することはできなかったが、もしやっていたとするとグラフ1よりも滑らかなグラフになっていたはずである。
インダクタンスと静電容量
実験目的
自作のコイルとコンデンサーを用いた回路で電気的共振を観察し、インダクタンスと静電容量をはかる。
実験原理
コイル、コンデンサー、抵抗は電気回路の基本的な素子である。これらを組み合わせると、フィルター回路、共振回路、微分回路、積分回路などを作ることができる。フィルター回路はローパスフィルタとハイパスフィルタがあり、ローパスフィルタはある固有の周波数以上の周波数を通過させず、ハイパスフィルタは同様にある固有の周波数以下の周波数を通過させないというものである。共振回路は、物質に固有の周波数と外部から加えられる振動の周波数が一致すると振動が激しくなる現象を使ったものである。微分、積分回路とは、それぞれ V=sinωt の電圧をかけたとき、ωの値に比例して振幅が大きくなるか、小さくなるかで考え、大きくなるのを微分回路、小さくなるのを積分回路という。
インダクタンス
図1 円筒状コイル
図1のような円筒状のソレノイドコイルに電流Iが流れている時、コイルの内外に磁界が生じる。さらに、Iが変化するときは、コイルを通り抜ける磁束が変化するために、電磁誘導によって...