日本国憲法は第25条において、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定しているが、この憲法の規定する生存権の保障を国が実体的に具現するための一つとして規定されたのが生活保護法である。つまり、生活保護法は生存権の理念に基づくものである。また、権利だけでなく、これらの人々の自立の助長も背曲的に図っていくことも併せて目的としている。
日本国憲法は第25条において、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定しているが、この憲法の規定する生存権の保障を国が実体的に具現するための一つとして規定されたのが生活保護法である。つまり、生活保護法は生存権の理念に基づくものである。また、権利だけでなく、これらの人々の自立の助長も背曲的に図っていくことも併せて目的としている。
生活保護法の規定内容は、「基本原理」と呼ばれるものであり、第5条において、「この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理に基いてされなければならない」と規定されているように、本法の根幹となる極めて重要なものである。
この基本原理には、「国家責任による最低生活保障の原理」「無差別平等の原理」「健康で文化的な最低生活保障の原理」「保護の補足性の原理」の4つがある。このうち「国家責任による指定生活保障の原理」「無差別平等の原理」「健康で文化的な最低生活保障の原理」は、いわば国の守るべき事柄を定めたものであり、「保護の補足性の原理」は、保護を受ける側に求められるものである。
まず、「国家責任の原理」であるが、これは、生活に困窮する国民...