「福祉専門職者に必要な倫理と能力についてまとめ、自分なりの見解を延べよ。」
〈福祉専門職とは〉
福祉専門職とは、社会福祉従事者のうち、一定の教育、訓練によって社会福祉の専門知識、技術、倫理を修得し、実践において社会福祉援助技術を用いて問題解決を図る能力を有すると認められる者、すなわち、福祉の専門性を持つ者をいう。そして、福祉専門職は、①援助を必要とする個人、家族、小集団に直接働きかけてその問題状況の解決を図るという直接的援助を担うソーシャルワーカー、②社会資源の活用、組織化、運営管理などの間接的援助を担うソーシャルワーカー、③社会福祉サービス利用者の家事・介護・相談助言等を担うケアワーカーという3つに大きく分類することができる。
また、福祉専門職による福祉援助活動は、援助を必要とする人々の人権の尊重、生活権の擁護に深くかかわる可能性をもっており、福祉専門職者はその社会的責任を常に認識しなければならない。
〈福祉専門職と倫理綱領〉
社会福祉の仕事は、人々の人権を守り、生活を支え、社会資源や他者へ繋ぐものであり、社会的弱者の人権を一手に預かる場合もある。社会福祉専門職者には所属や資格に関わらず、専門職としての自律した善、つまり倫理が求められる。近年では、障害者施設や児童福祉施設における虐待事件や認知症高齢者への経済的搾取など、福祉過誤と思われる事件も多発している。このような専門職者の倫理観について、専門職団体は自立した倫理の目的・方針・規範を内外に示す「倫理綱領」をもつ、国際ソーシャルワーカー連盟に加盟にしている日本のソーシャルワーカー職能4団体は、合同で、新たに、日本における「ソーシャルワーカーの倫理綱領」制定を目指して取り組み、2005年5月21日に最終提案がなされ、各団体による承認となった。
倫理綱領が果たす役割として①専門職としての共通の価値の明示、②専門職の質を維持・向上するための教育的・開発的機能、③利用者の信頼を得るための管理機能、④社会的商人と信頼を得るための機能の4つがある。そして、倫理綱領を構成しているのは、①前文、②ソーシャル・ワークの定義、③価値と原則、④倫理基準である。④の倫理基準はさらに、(1)利用者に対する倫理責任、(2)実践現場における倫理責任、(3)社会に対する倫理責任、(4)専門職としての倫理責任の4つに細分化される。本レポートでは、上述した(1)と(2)について述べたい。
利用者に対する倫理責任
利用者に対する倫理責任には、利用者との関係、利用者の利益の最優先、受容、説明責任、利用者の自己決定の尊重、利用者の意思決定能力への対応、プライバシーの尊重、秘密の保持、記録の開示、情報の共有、性的差別・虐待の禁止、権利侵害の禁止が書かれており、私がその中で最も重要と考えることは、秘密の保持である。それは、福祉専門職の資格について定める法律、例えば、社会福祉士及び介護福祉士法の第46条に、「社会福祉士又は介護福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。社会福祉士又は介護福祉士でなくなった後においても、同様とする」と規定されているように、業務上知り得た利用者の秘密は原則、漏らしてはならない。そうしなければ、援助者と利用者の間に信頼関係は生まれないからである。例外としてチームアプローチをしていく場合に必要な情報に関しては、他の専門職と共有することができるが、その場合も利用者に同意を得てから共有することが必要になる。
(2)実践現場における倫理責任
実践現場における倫理責任には、最
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〈福祉専門職とは〉
福祉専門職とは、社会福祉従事者のうち、一定の教育、訓練によって社会福祉の専門知識、技術、倫理を修得し、実践において社会福祉援助技術を用いて問題解決を図る能力を有すると認められる者、すなわち、福祉の専門性を持つ者をいう。そして、福祉専門職は、①援助を必要とする個人、家族、小集団に直接働きかけてその問題状況の解決を図るという直接的援助を担うソーシャルワーカー、②社会資源の活用、組織化、運営管理などの間接的援助を担うソーシャルワーカー、③社会福祉サービス利用者の家事・介護・相談助言等を担うケアワーカーという3つに大きく分類することができる。
また、福祉専門職による福祉援助活動は、援助を必要とする人々の人権の尊重、生活権の擁護に深くかかわる可能性をもっており、福祉専門職者はその社会的責任を常に認識しなければならない。
〈福祉専門職と倫理綱領〉
社会福祉の仕事は、人々の人権を守り、生活を支え、社会資源や他者へ繋ぐものであり、社会的弱者の人権を一手に預かる場合もある。社会福祉専門職者には所属や資格...